TRANSFORMERS:FACTORS episode:2-ex [永遠の戦士達]


--現在、地球と異星よりの協力者による新防衛機構設立が進み...

モニターに映し出されたニュース番組が
世界の新たな一歩を伝える

--この新たな友人との協力により地球防衛は発展します

和やかに伝えられるそれは、やけに他人事に思える
それは俺が別の世界に居たからだろうか?

それとも、人間の目に隠れなくても良くなったから?
何よりもう、一人で戦い怯える日々ではないからか

--新たな防衛機構「ダイアクロン」は今後発展し...

画面の向こうに見えるのは、この世界に来て受け取ったデータにあった
幾つもの協力者達の顔、それが一堂に会する状況である

...だが今回は悪い話ではない。
片貝一族は勿論、久慈博士やアンドロイドA
それらが希望のため、未来のために集結している

そしてセイバートロンより派遣された
ウルトラマグナス、クロスカットの姿

「俺にはどうもピンとは来ないがなぁ」

アクロエンペラーとの戦いの後
ミクロマンやサイボーグのネットワークを駆使し
サイバトロンは地球防衛機関各所へその存在を公表し
地球側も彼等を受け入れ、共に生きる未来が始まった。

この世界ではミクロロボット達と変わらぬ大きさの彼等は
ミクロマン達と同様、宇宙に散らばった仲間を探しながら
現在はファクトコンボイと共に新たな活動拠点を建造中である

「ダイアクロンか...どういう意味なんだろう」

地球の子供が好きだという菓子を幾つか口に放り込み
ローラーは席を立つと、自室から司令室へと向かう
その口元には笑みを、そして歌が漏れる

「これ美味いなぁ、後でステラの奴にもやろう」

自らが掴んだ平穏がただ嬉しかった
未来の、誰かの為に生きて良いのだと
漠然とはしているが、やっと理解出来た

「さて、今日からはまた旅か~」

僅かな休息の時は終わる。
また新たな旅が、彼等の未来を作り出してゆく。

そして変化も訪れる
鼻歌交じりに歩みをすすめる彼の背後
その姿を密かに後を追う影もまた一つ...

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あの日、空から訪れた災厄
奴等は宇宙に巣食う害虫
そのギラついた目に、我々の星が写ってしまった

「輝ける聖剣よ、我が命と共にこの星を...封印せよ」

その羽音が平和な街を破壊し、その飛び去った後には
赤い嵐が吹き荒れて、命は全て食い荒らされた
体を蝕む錆、感情は飲み込まれ、皆、死に絶えた

「奴等を止めるには...この手段しか無い」

ただ一つ、奴等に対抗できる力
我が手に宿る美しい剣の輝きだけが
私を、この星に未だ生きる者を生命たらしめていた

この輝きを、私は守りたかった
だけど、守られていたのは私...私達の方だった

輝きはこの体を作り変え、嵐の中で輝き続け
我が生命を、新たな者へと変えてゆく

「我が名はヴィクトリオン!害虫共めこの剣が恐ろしかろう!!」

光り輝く剣に巨大な姿の昆虫の様な異形が
まるで吸い寄せられるように集結し
まるで赤い嵐のように、ヴィクトリオンを中心に集まると
刹那、その全てを包無用に光が炸裂し、すべてがその光の先に消える

「...ああ、これでいい...戦士の剣よ!!」
微かに聞こえた声とともに、光と闇
たった一人の戦士と無数の異形は
赤い嵐と共に光に呑まれ
その全てが宙に浮かぶ赤い球体へ封印された。

惑星には平穏が戻った
唯一の英雄の犠牲の元に。

だが、その平穏は脅威の前触れに過ぎなかった
赤い嵐の玉の中で、ヴィクトリオンは
そのスパークが更なる異形の気配を感じ鼓動するのを理解する

「この異形は尖兵だとでも言うのか...何という事だ」

救う手立てのない、滅びを待つだけの惑星を
ただ見ている事しか出来ない、絶望を前に
光は声を届けた、「この声に応えよ」という声を

「貴方...?何処に居る?」

叫びの様な声が、真紅の嵐に消え
握った剣は、遥かに天高く伸びる

「私が、私達が見えるのなら...この魂に応えよ」

今にも消えそうな魂が、微かな光に生かされている
光は言う、希望を信じ、我が身を翳せと

『新たな声...君は?』

かざした刃の先、嵐の玉を抜け遙か天に光が伸びる
そして、光の向こう...近く、しかし遥か遠く
光の中心に見えた微かな姿、希望を光が映し出すと
スパークは高鳴り、魂を鼓舞する

「私はヴィクトリオン、宇宙に危機が迫っている」

振り絞るように声を放つと
その光を掴んだ希望は、確かに頷き
その視線を強く向け、次の瞬間には掻き消えた

僅かな邂逅、しかし、その身には力と
新たな光が残され、ヴィクトリオンはより強く
嵐の玉の結界を張り巡らせる

「待っているぞ、我が希望...だが時間はない」

結界内部に伸びる光、僅かな希望をあざ笑うように
全体を覆う赤い嵐が、一瞬異形の顔を形成し
光にめがけ噛み付くように伸び消える

遠く、遥か遠く輝きが覆い隠されかけた惑星が一つ
砕かれた光は、儚き声は、それでも前へと伸び

衝撃は嵐の玉を超え、光と同様宇宙へと響き
何方の輝きもまた、強く交差した

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遙か惑星と時を同じく、地球
ミクロベースから惑星ヴィーコンへ
新たなスペースブリッジが展開し

ファクトコンボイ、ダイオン、ローラー等
嘗てからのミクロチェンジ調査隊チームが再結集し
リバースコンボイの新たな体へのリフォーマット
そして破壊された惑星の再興へと旅立とうとしていた

「さぁ、皆さん準備はOKですね~」

ナビゲートポッドに収まった少女、ステラが声を上げると
目前の異界への扉を見据えた7人の戦士が
一瞬輝いたかと思うと、無数の線となって扉の向こうへと霞消える

無限にも見える光、この転送の刹那だけは
全ての存在が同じ場所に居るが別の場所に存在し
本来は感じられない世界すらも、共にあるという

ファクトコンボイはその中で一つの声を聞く
それは悲鳴のような、光の叫び
そしてそれを呑み込んだ異形の慟哭がマトリクスを呼応させる

「今の気配は...ヴィク...トリオン?」

次の瞬間、目を見開いた先には機械惑星の景色が広がり
何も変わらない自分の体が存在している

だが一つだけ、頭のなかに声とともに響くイメージ
残された幾つかの数列が、今見た希望の残照の様に焼き付いている

『待っているぞ、君を』

遥か彼方、宇宙の果で目覚める異形の虫
今はまだ、微かな火は、瞬く間に広がり
燃え盛る炎が嫌でも目に映り、希望を破壊するだろう。

だが、希望もまた常に光り輝き抗う
それは超生命体と人との希望を護るため
未来をかけた新たな時代への争いへと発展してゆく

...物語は、続いてゆく。